書籍カテゴリー:消化器学|検査・診断学

胃がんリスク層別化検診(ABC検診)
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胃がんリスク層別化検診(ABC検診)
胃がんを予知・予防し,診断・治療するために

1版

  • 認定NPO法人 日本胃がん予知・診断・治療研究機構 理事長 三木一正 編

定価:2,860円(本体2,600円+税10%)

  • B5判 234頁
  • 2019年11月 発行
  • ISBN978-4-525-21281-0

概要

胃がんの撲滅を目指して!

これからの胃がん予防は「胃がんリスク層別化検診(ABC検診)」から始まる!ピロリ菌抗体価と血清ペプシノゲン値によるABC法を一次スクリーニングとし,さらに二次精密検査として胃内視鏡検査を行うのがABC検診である.本検診に関するさまざまな知見や問題対策,測定試薬などの最新情報を提供する.胃がん対策のあらゆる現場で役立つ一冊!

序文

 本書は,2014年11月に発売して以来,大変好評を得ました「胃がんリスク検診(ABC検診)マニュアル(改訂2版)」の改訂3版に位置付けられる書籍ではありますが,改訂2版発刊以降の5年間で,国内外で多くの新しい成績やエビデンスが報告され,本書の内容の大幅な改訂が早急に必要となりました.そこで今回は,多くの新しい執筆者を迎え,また,人工知能(AI)の検診領域における活用も急速に進められている現状を鑑み,著者陣の再編成を行いました.構成も最新の内容に一新し,書名も新たに「胃がんリスク層別化検診(ABC検診)」と改め,新刊書籍として発刊を目指すことになりました.また,海外からの問い合わせも増えるなか,グローバル化に対応し,各項目のタイトル・著者・所属名および要旨の英訳を付けました.
 これまで日本ヘリコバクター学会や当NPO法人では,リスク層別化検査(ABC法)の測定試薬としてラテックスキットを使用すること(ラテックス法)の是非は不明としてきましたが,当NPO法人として,今後は,ラテックスキットは実際に使用可能であること,すなわち,ラテックス法の有用性を本書で初めてご報告できることは,望外の喜びであり
ます.
 各著者の先生方には,ご多忙のなか大変短い執筆期間にもかかわらず,ご快諾いただき,ご執筆を賜りましたことを改めて衷心よりお礼申し上げます.
 これまでに寄せられた多くのご意見やご批判を踏まえ,本書には,胃がんリスク層別化検診(ABC検診)の最前線の情報を収載しています.本書が,胃がん対策のあらゆる現場でお役に立つことを願っています.
 最後に,本書の企画から編集に至るまで,多大なご理解とご協力を賜りました,南山堂編集部の石井裕之氏に深謝いたします.

2019年10月
認定NPO法人 日本胃がん予知・診断・治療研究機構 
理事長 三木一正

目次

・胃がんリスク層別化検診(ABC検診)運用の手引

第1章 胃がんリスク層別化検査と胃がん発生のメカニズム
 1.ペプシノゲン(PG)法
 2.胃がんとピロリ菌感染
 3.ピロリ菌病原因子CagAによる発がん機構
 4.DNAメチル化による胃がん発生のメカニズム
 5.ピロリ菌未感染群からの胃がん発生

第2章 胃がんおよびピロリ菌(感染)の疫学
 1.胃がんの死亡統計から考える胃がん対策
 2.胃がんを遠ざける生活習慣
 3.わが国におけるピロリ菌の感染率
 4.ピロリ菌感染の分子疫学

第3章 胃がんリスク層別化検診およびピロリ菌除菌による胃がん予防
 1.日本から胃がんを撲滅させるための戦略
 2.ピロリ菌感染診断と除菌療法
 3.ピロリ菌除菌後の胃がん発生
 4.統計からみた胃がんリスク層別の可能性
 5.胃がんリスク層別化検査を導入した胃がん検診の費用対効果
 6.胃がんリスクスコアの作成とその検証 —久山町研究における胃がんの疫学調査より—
 7.若年時からの胃がん予防 —兵庫県丹波篠山市における中学生ピロリ菌検診と除菌治療—
 8.県民の胃がん予防を目指して(佐賀県)
 9.ピロリ菌感染症の学校検診への導入による費用対効果

第4章 胃がんリスク層別化検査と検診
 1.WHO主導多施設ランダム化比較試験研究(GISTAR研究)報告
 2.NIH主導フィンランド人男性における大規模前向きコホート研究報告
 3.胃がん生涯累積発生および死亡リスクの推定
 4.胃がん罹患予測への有用性
 5.胃がんリスクチェックツールの開発
 6.胃がんリスク層別化の疫学的評価
 7.東京都における胃がんリスク層別化検診の追跡研究
 8.地域検診の実施報告① 東京都町田市
 9.地域検診の実施報告② 東京都西東京市
 10.地域検診の実施報告③ 神奈川県横須賀市
 11.職域検診の実施報告① 神戸製鋼所健康保険組合 —新たな胃検診の導入評価報告—
 12.職域検診の実施報告② 日本中央競馬会健康保険組合
 13.職域検診の実施報告③ 三菱診療所
 
第5章 胃がん内視鏡検診・診断および人工知能(AI)の活用
 1.胃がん内視鏡検診の現状と今後の展望
 2.胃がん内視鏡検診の課題
 3.リスク層別化による効率化
 4.内視鏡検診の検診間隔
 5.経鼻内視鏡による受容性の高い検診
 6.メディカルスタッフの重要性
 7. 地域で長年実践された胃内視鏡検診の成果
 8.胃がんリスク層別化検査と内視鏡診断を組み合わせた「ハイブリッドABC」
 9.胃炎の京都分類
 10.前向き観察研究に基づく胃がん発症リスクの解析
 11.検診受診者の胃十二指腸粘膜レーザー内視鏡所見
 12.早期胃がんの内視鏡診断とAI診断の応用
 13.NBI併用胃拡大内視鏡画像を用いたAI胃がん内視鏡診断支援システム
 14.AIを応用した胃がん内視鏡検診
 15.AIと消化器内視鏡の融合
 16.AIを活用した胃がんリスク層別化と新たな胃がん検診法の提案
 17.内視鏡治療最前線① ESD(内視鏡的粘膜下層?離術)
 18.内視鏡治療最前線② LECS(腹腔鏡・内視鏡合同手術)
 19.内視鏡治療最前線③ LDG(腹腔鏡下幽門側胃切除) —安全性を高めるヒントとなったreal world知見—

第6章 胃がんリスク層別化検査の実施法
 1.血清ペプシノゲンI/II比のピロリ菌除菌治療判定指標としての有用性
 2.胃がんリスク診断におけるLタイプワコー H.ピロリ抗体・Jの有用性
 3.H.ピロリ−ラテックス「生研」の胃がんリスク判定における有用性
 4.厳密なピロリ菌感染診断に基づくH.pylori抗体6キット同時測定評価
 5.ピロリ感染血清診断試薬(ラッテクス法)の選択と運用上の留意点
 6.胃がんリスク層別化検査を実施している自治体および採用血清H.pylori抗体キットの現状

第7章 食道がん検診対策(リスク評価)
 1.食道がんリスク検診 —フラッシングと飲酒・喫煙の問診によるリスク評価—
 2.バレット食道

第8章 JED,Q&A
 1.JED(Japan Endoscopy Database)Project
 2.ABC検診に関するQ&A集
 
・胃がんリスク層別化検査・自治体実施状況