書籍カテゴリー:臨床薬学|基礎薬学

薬物治療学

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薬物治療学

第3版

  • 北海道医療大学名誉教授 南 勝 著
  • 東北薬科大学薬理学教授 只野 武 著

定価:7,700円(本体7,000円+税10%)

  • B5判 500頁
  • 2004年4月 発行
  • ISBN978-4-525-72003-2
  • ISBN4-525-72003-4

概要

薬学教育が大きな転換期を迎えるなかで,本書は薬学教育モデル・コアカリキュラムに沿った内容で全面改訂した.また薬剤師国家試験出題基準の「疾病と病態」をカバーし,医薬品を有効かつ安全に使うために薬剤師が知っておくべき基礎知識を網羅してある.今後の薬学教育,とくに「臨床薬理学」「薬物治療学」の講義に最適であり,また卒業後の薬剤師にとっても大いに利用できる必携の1冊である.

序文

今,まさに薬学教育は大きな転換期の中にある.平成14年(2002年)4月に,日本薬学会は高度化・先進化していく医療や薬剤師業務に対応できるよう,学習者に到達して欲しい教育目標を明記した「薬学教育モデルカリキュラム(案)」を作成した.さらに,この案についての薬系46大学のアンケートに基づき,「薬学教育モデル・コアカリキュラムおよび薬学教育実務実習・卒業実習カリキュラム」の完成に至った.医療薬学が重要となっている背景には医療チームの一員である薬剤師にますます高度で先進的な知識・技能が求められるためである.それに伴い薬学教育が6年制,4+2年制へ移行する中で,今後ますます医療薬学中心の教育となっていくであろう.
薬物治療学とは従前の経験的な薬物治療の改める点は改め,科学的な根拠に基づいて薬効評価,治療薬の選択や投与方法・患者への服薬指導などを確立しようとする学問である.
本書はすでに薬理学を習得した薬学生に対する薬物治療学の講義に使用することを目的に1997年3月に出版されたが,好評であった各疾患のまとめであるKEY POINTや類書との違いでもある疾患から薬を捉えた体裁はそのままに,新薬の記載や処方例を大幅に増やした.また今改訂の大きな特徴は「薬学教育モデル・コアカリキュラム」の薬物治療の項目にあげられている疾患と薬物療法をほぼ網羅している点にある.今後の変革していく薬学教育に対応できる内容であり,薬学生だけでなく,薬剤師となってからも十分活用できる実践的な内容となっている.
読者諸兄が,薬剤師の職能という点からも,より直接的にチーム医療に参加し,問題点を捉えて解決するための基本的な考え方を本書から身につけ,社会に貢献することを切に願っている.
最後になったが,本書の記述に関する誤謬,不備などについては読者諸兄の叱正を賜れば幸いである.また,本書の発刊に際してご尽力いただいた南山堂 編集部の方々に厚くお礼申し上げる.

2004年 初春 著者一同

目次

第1章  臨床薬理学総論
1.臨床薬理学とは
2.薬物動態学
2−1.吸収
2−2.分布
2−3.排泄
2−4.代謝
2−5.薬物速度論の応用
3.新薬の開発と薬効評価
3−1.非臨床試験
3−2.臨床試験
4.インフォームド・コンセント

第2章  循環器障害ならびに浮腫に用いる薬物
1.高血圧の治療
1−1.高血圧の概要
1−2.高血圧の病態生理
1−3.高血圧の薬物療法
1−4.抗高血圧薬
2.低血圧の治療
2−1.低血圧の病態生理
2−2.低血圧の分類
2−3.低血圧の治療薬(昇圧薬)
3.虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の治療
3−1.狭心症の病態生理
3−2.狭心症の治療
3−3.心筋梗塞の病態生理
3−4.心筋梗塞の治療
4.心不全の治療
4−1.心不全の病態生理
4−2.心不全の治療
5.不整脈の治療
5−1.心臓の刺激伝導系
5−2.不整脈の病態生理
5−3.不整脈の治療
6.末梢循環障害に用いる薬物
6−1.末梢循環障害により起こる疾患と病態
6−2.末梢循環障害の治療
6−3.ショックとその治療薬
7.浮腫の治療
7−1.浮腫の病態生理
7−2.浮腫の治療

第3章  呼吸器疾患に用いる薬物
1. 咳嗽および喀痰の治療
1−1.咳嗽および喀痰の病態生理
1−2.呼吸器疾患の鑑別・診断
1−3.呼吸器疾患の病態生理
1−4.咳嗽および喀痰の治療薬
2. 閉塞性肺疾患(気管支喘息と肺気腫症)の治療
2−1.気管支喘息および肺気腫症の病態生理
2−2.気管支喘息および肺気腫症の治療

第4章  手術に用いる薬物
1. 全身麻酔薬
1−1.吸入麻酔薬
1−2.静脈内麻酔
2. 局所麻酔薬
2−1.局所麻酔薬の臨床応用と適用方法
2−2.代表的な局所麻酔薬

第5章  痛みの治療に用いる薬物
1. 痛みの種類と痛覚伝導路
1−1.痛みの種類
1−2.痛覚伝導路
2. 痛みの薬物療法
2−1.オピオイド系および非オピオイド系鎮痛薬
2−2.痛みの薬物療法

第6章  けいれん性疾患に用いる薬物
1. てんかんの薬物療法
1−1.てんかん
1−2.てんかんの薬物療法
2. パーキンソン病の薬物療法
2−1.パーキンソン病
2−2.パーキンソン病の薬物療法

第7章  中枢神経系ならびに神経障害に用いる薬物
1. 不眠症の治療
1−1.睡眠障害
1−2.不眠症に対する薬物療法
1−3.催眠薬の種類
2. 不安神経症の治療
2−1.神経症・心身症の病態
2−2.神経症の治療薬
3.躁うつの治療
3−1.躁うつ病とは
3−2.うつ病の治療薬
3−3.抗うつ薬
3−4.各種抗躁薬
3−5.抗うつ薬の体内動態
3−6.臨床上重要な副作用
3−7.相互作用
3−8.薬物療法の実際
4.統合失調症の治療
4−1.統合失調症の病型と症状
4−2.統合失調症の薬物療法
4−3.抗精神病薬の有害作用と使用上の注意
4−4.統合失調症の治療薬(抗精神病薬)
5.抗痴呆薬
5−1.痴呆の分類と病態生理
5−2.痴呆症の治療
6.制吐薬ならびに鎮暈薬
6−1.制吐薬
6−2.鎮暈薬

第8章  血液・造血器疾患に用いる薬物
1. 貧血の薬物療法
1−1.貧血
2. 血栓症の薬物療法
2−1.血栓症
2−2.血栓症の薬物療法
3. 出血性疾患の薬物療法
3−1.播種性血管内凝固症候群の薬物療法
3−2.血友病の薬物療法
3−3.ビタミンK依存性血液凝固因子欠乏症の薬物療法
3−4.紫斑病の薬物療法
4. 白血病の薬物療法
4−1.急性白血病の薬物療法
4−2.慢性骨髄性白血病(CML)の治療
4−3.慢性リンパ性白血病(CLL)の治療
5. 高脂血症の薬物療法
5−1.動脈硬化の病態生理
5−2.抗高脂血症薬
5−3.高脂血症の薬物療法

第9章  内分泌疾患に用いる薬物
1. 糖尿病の薬物療法
1−1.糖尿病の病態生理
1−2.糖尿病の治療
1−3.糖尿病の薬物療法
2. 生殖腺機能異常の薬物療法
2−1.卵巣機能異常の治療
2−2.子宮組織の疾患と治療
2−3.精巣機能異常の治療
2−4.前立腺の疾患と治療
3. 妊娠・出産に用いる薬物
3−1.妊娠の生理
3−2.受胎調節理論と薬物
3−3.妊娠悪阻・流産・妊娠中毒症の病態と治療
4. その他の内分泌疾患の治療
4−1.視床下部ホルモンとフィードバック調節機序
4−2.下垂体機能異常の病態生理と薬物療法
4−3.甲状腺機能異常の病態生理と薬物療法
4−4.副腎皮質機能異常の病態生理と薬物療法
4−5.カルシウム代謝機能異常の病態生理と薬物療法

第10章  炎症,痛風ならびにアレルギー性・免疫疾患に用いる薬物
1. 炎症の薬物療法
1−1.炎症の病態生理
1−2.非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)
1−3.ステロイド系抗炎症薬(副腎皮質ステロイド剤)
1−4.酵素製剤(消炎酵素剤)
2. 痛風の薬物療法
2−1.高尿酸血症と痛風の病態
2−2.痛風の薬物療法
2−3.痛風治療薬
3. アレルギー性・免疫疾患の治療
3−1.アレルギーの病態
3−2.主なアレルギー性疾患の治療
3−3.アレルギー性疾患に用いる薬
3−4.主な免疫疾患の治療
3−5.免疫疾患に用いる薬

第11章  感染症に用いる薬物
1. 病原微生物感染症の治療
1−1.感染症の化学療法
1−2.現在使用されている抗菌薬
1−3.通常みられる感染症の治療法

第12章  消化器疾患に用いる薬物
1. 健胃消化薬
1−1.健胃薬
1−2.消化酵素薬
1−3.胃腸機能調整薬
2. 消化性潰瘍の治療
2−1.消化性潰瘍の成因
2−2.消化性潰瘍の薬物療法
2−3.消化性潰瘍治療薬
3. 炎症性腸疾患(クローン病,潰瘍性大腸炎)の治療
3−1.クローン病
3−2.潰瘍性大腸炎
3−3.クローン病の薬物療法
3−4.潰瘍性大腸炎の薬物療法
3−5.炎症性腸疾患治療薬の禁忌
3−6.炎症性腸疾患治療薬の重篤な副作用
4. 下剤(瀉下薬)
4−1.便秘の概要
4−2.便秘の薬物療法
4−3.刺激性下剤
4−4.膨張性下剤
4−5.浸潤性下剤
4−6.浣腸薬
5. 止瀉薬および整腸薬
5−1.下痢の概要
5−2.下痢の薬物療法
5−3.整腸薬
6. 胆道系疾患の治療
6−1.胆道系の形態と機能
6−2.胆道系疾患の概要
6−3.胆石症の薬物療法
6−4.利胆薬
6−5.胆石溶解薬
7. 肝疾患の治療
7−1.肝臓の形態と機能
7−2.肝疾患の病態
7−3.肝疾患の薬物療法
8. 膵疾患の治療
8−1.膵の形態と機能
8−2.膵炎の概要
8−3.膵炎の薬物療法

第13章  輸液療法
1. 輸液療法
1−1.輸液療法に用いる輸液薬
1−2.輸液療法の分類と適応
1−3.主な疾患と病態における輸液療法

第14章  悪性腫瘍に用いる薬物
1. 抗がん薬
1−1.がんと化学療法
1−2.抗がん薬
1−3.抗がん薬による薬物療法
1−4.抗がん薬の副作用
1−5.薬剤耐性
1−6.抗がん薬の取り扱いについて
1−7.脳腫瘍
1−8.乳がん
1−9.子宮がん
1−10.前立腺がん
1−11.肺がん
1−12.胃がん
1−13.肝がん
1−14.大腸がん

第15章  その他の薬物
1. 皮膚疾患治療薬
1−1.皮膚疾患にみられる症状
1−2.皮膚疾患の種類と治療
1−3.外用薬の用い方
1−4.外用薬の経皮吸収
1−5.皮膚疾患治療薬
2. 眼疾患治療薬
2−1.主な眼疾患
2−2.点眼薬の種類
2−3.眼疾患治療薬

第16章  薬物療法での注意
1. 高齢者の薬物療法
1−1.加齢による生理機能の変化
1−2.高齢者における薬物動態の変化
1−3.高齢者における薬物相互作用と副作用
1−4.高齢者における薬物投与計画
2. 小児の薬物療法
2−1.小児の薬物動態
2−2.小児における副作用
2−3.小児薬用量
2−3.乳児期の薬用量
3. 薬物血中濃度の読み方
3−1.薬物血中濃度の個人差
3−2.薬物血中濃度モニタリング
3−3.主な疾患による薬物動態の変動
4. OTC服薬指導時の注意
4−1.一般用医薬品
4−2.一般用医薬品の安全対策
4−3.一般用医薬品の相互作用
5. 薬物相互作用とその対策
5−1.薬物相互作用増加の背景と予防
5−2.薬物相互作用の分類
5−3.薬剤学的相互作用
5−4.薬物動態学的相互作用
5−5.表16-12(薬物相互作用)の読み方
6. 薬物中毒患者の治療
6−1.胃洗浄
6−2.吸着剤と下剤の投与
6−3.催吐
6−4.強制利尿
6−5.血液透析
6−6.酸素
6−7.参考資料
6−8.日本中毒情報センター
7. ターミナルケアでの薬物療法
8. 透析患者の薬物療法

和文索引
欧文索引