最新号

「薬局」2019年11月 Vol.70 No.12

在庫状況:在庫あり

2019年11月 Vol.70 No.12
急性冠症候群
実臨床に活きる薬物治療の知識とスキルを身につける

定価:2,200円(本体2,000円+税10%)

特集の目次

■特集にあたって(宮内 克己)

■急性冠症候群の成因・分類と診断手順(金子 智洋 ほか)

■急性期・回復期・維持期ごとにみた急性冠症候群の治療戦略
・ST上昇型心筋梗塞(飯島 雷輔 ほか)
・非ST上昇型心筋梗塞(小菅 雅美)
・不安定狭心症(中川 義久)

■経皮的冠動脈インターベンション後の抗血栓療法Q&A
・抗血小板薬併用療法はどの患者にどの組み合わせを用いるのか? 薬剤過敏症・不応/過反応性のケースではどう対応するのか?(齋藤 佑一 ほか)
・出血ハイリスク患者におけるPCI後の抗血栓療法と出血後の対応をいかに行うか?(上妻 謙)
・PCI後に残存する虚血やステント血栓症ではいかに対応すればよいか?(坂倉 建一)
・抗血小板薬の併用から単剤への切り替えはいつ・どうやるか?(石井 正将 ほか)
・抗凝固薬(経口抗凝固薬も含む)はいつ・どの患者に・どう使うか?(亀田 良 ほか)

■急性冠症候群における血圧・血糖・脂質管理の極意
・急性冠症候群患者の血圧マネジメント(徳重 明央 ほか)
・急性冠症候群患者の血糖マネジメント(石原 正治)
・急性冠症候群患者の脂質マネジメント(安田 英俊 ほか)

■急性冠症候群患者における薬学的管理の実践ポイント
・急性冠症候群患者における副作用・相互作用のチェックポイント(大山 亜梨沙 ほか)
・薬剤師が実践する急性冠症候群患者支援の勘所(上村 澪 ほか)

シリーズ

■薬剤師ふたばの症例検討奮闘記
症例検討会に向けた準備-③
薬物治療の基本知識の確認と症例の情報収集
(上塚 朋子/矢野 良一)

■薬剤師が三ツ星シェフ 〜業務に活きる!活かせる!経静脈栄養のホントのところ〜
なぜ経静脈栄養は難しい?
―輸液栄養を身近に感じられる“とある一例”―
(東 敬一朗)

■精神科における個別化医療を目指して
睡眠薬
(髙橋 結花)

■褥瘡コンサル虎の巻 ~褥瘡の発生要因を考える~
疾患と褥瘡との関係は?-④
疾患によって予測される褥瘡発生とその対応
神経疾患と褥瘡②
(溝神 文博)

■BMs-Podによる真の薬物投与設計 ~薬物動態解析の臨床への還元~
BMs-Podの応用的な扱い方:ベイズ推定の活用方法
~透析患者のバンコマイシンの投与設計~
(尾田 一貴)

■プロフェッショナルEYE 専門薬剤師からみた勘所
うつ症状を見逃さない!
(坪内 清貴)

■薬剤師にもできる! 将来幸せに働くための投資講座
不動産投資って儲かるの?(前編)
(桑原 秀徳)

■「治療」「薬局」合同連載 
症例×Q&A 超高齢社会シコウの利尿薬適正使用シコウ
高齢慢性うっ血性心不全におけるループ利尿薬の功罪
慢性期うっ血性心不全における利尿薬のエビデンス
(杉本 俊郎)

巻頭言

 急性冠症候群は,不安定狭心症,急性心筋梗塞,心臓突然死を包括した概念であり,循環器内科診療においてその中核をなす重要な疾患である.発症率は欧米に比して低いが生活習慣の欧米化に伴い,ここ30年間で約4倍に増加している.一方,心筋梗塞の予後はこの60年間で劇的に改善し,死亡率は1/10に減少している.これは飛躍的な発展を遂げた急性期・慢性期治療,すなわち冠疾患集中治療室(CCU)の開設や初期治療,血栓溶解療法,経皮的冠動脈バルーン形成術,経皮的冠動脈ステント留置術,さらにはβ遮断薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬の使用などエビデンスに基づく治療が行われてきた証である.しかし,直近10年(2005年から2014年まで)に関しては高齢患者,入院時急性心不全合併患者の増加も相まって急性期死亡率は下げ止まっている.わが国の急性心不全の原因疾患としても虚血性心疾患が最多であり,今後さらなる高齢化に伴い,急性冠症候群,特にその薬物治療が重要となる.急性冠症候群発症後内服が必須となる抗血小板薬や心房細動合併患者における抗凝固薬の併用などによる出血のリスク,怠薬によるステント血栓症のリスクなど,服薬アドヒアランスも含めた高齢者特有の問題も日常臨床ではよく経験される.このような問題に対しては,医師だけではなく,薬剤師や看護師,ソーシャルワーカーなど多職種にわたった連携が必要であり,それぞれが疾患に対する理解を深めることが肝要である.
 そこで,本特集は2019年3月に日本循環器学会から『急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)』が発行されたことから,いま一度その内容を俯瞰的に確認するとともに,同分野における最新の知見や日常臨床で対峙するさまざまな疑問点について,第一線でご活躍のわが国を代表するエキスパートの先生方に解説していただいた.最新の日本のガイドラインと臨床試験結果を今後の日常臨床の実践に,個々の患者さんの治療に役立てていただけると幸いである.

宮内 克己
順天堂東京江東高齢者医療センター 循環器内科 教授